※本稿は、株式会社ハクオウロボティクスより実機見学の機会をいただき、物流現場経験者の視点からレビューした内容です。
物流倉庫の効率化やDX化を検討する経営者、現場の管理者の中には、自動フォークリフト(以後、AGFと記載)について以下のような疑問を持つ方も多いはずです。
「現場で本当に使い物になるのか?」
「費用対効果はどうなのか?」
「デジタルにうとい作業員でも使いこなせるのか?」
実際に私も、そう感じていた一人でした。
本稿では、物流現場で18年間毎日のようにフォークリフト作業にたずさわった私が、ハクオウロボティクス社製AGF『AutoFork』の実機を見て、触れて感じたことを正直にレビューします。
- 筆者がAGFを実際にみて感じたこと
- 物流現場目線での率直な評価
- AGFが向いている現場・向かない現場
ぜひご一読いただき、現場の省人化や効率化を進める上での参考にしてください。
なお、本稿の内容をより詳細に、かつ見やすくまとめた資料も用意しています。資料では『AutoFork』を”ソフト面・ハード面・安全面”の3つのカテゴリで正直に評価しました。
さらに、実際にAutoForkを導入した企業事例も紹介しています。
気になる方は、個人情報の入力なしですぐに閲覧できる以下のリンクからご確認ください。
>>資料「自動フォークリフト(AGF)は物流現場で活用できるのか?|ハクオウロボティクス『AutoFork』を現場目線で正直レビュー」を閲覧する
自動フォークリフト(AGF)実機見学の経緯
事の始まりは、私がビジネスメディア「Merkmal(メルクマール)」に寄稿した一本のコラムでした。そこではAGFに対する率直な疑問を綴っています。

この記事が公開された数日後、AGFメーカーである株式会社ハクオウロボティクスのご担当者様から連絡をいただきました。
「当社の製品を現場目線で第三者として検証してほしい」
という、非常に熱意のある内容でした。
私としても、実機をこの目で確かめて理解を深めたいという想いがあり、この提案を快諾。
同社の製品展示場「東浦和ベース」を訪問する運びとなりました。
当日はAutoForkの概要について説明を受け、実際に動かして徹底的な検証をおこなっています。そこで感じた、物流現場目線から見た率直な評価をここにお伝えします。
私が自動フォークリフト(AGF)に感じていた疑問
AGFの実機見学前、私が現場目線でAGFに感じていた疑問は以下の3点です。
- 有人フォークリフトと同等の生産性を確保できるのか
- 現場の安全は確保できるのか
- システムエラーなどでまともに稼働できないのではないか
有人フォークリフトと同等の生産性を確保できるのか
物流現場では常にスピードが求められます。そのため、ロボットが有人フォークリフトと同等の生産性を確保できるのかという点が最も気になっていました。
ロボットの動きが遅ければ、結果として全体の作業の足を引っ張りかねません。
カタログに並ぶ「生産性向上」という言葉が、実際の現場で本当に実現するのか疑わしかったからです。
現場の安全は確保できるのか
歩行者と有人フォークリフトが入り乱れる現場において、ロボットとの共存が可能なのかという点も大きな懸念でした。
私は現場の安全責任者を長年務めた経験があります。
だからこそ、接触事故などのリスクに対し、AGFがどれほどの安全性を担保できるのか、厳しい目で検証する必要があると感じていました。
システムエラーなどでまともに稼働できないのではないか
物流現場では大小さまざまなイレギュラーが日常的に発生します。
万が一のシステムエラー時など、イレギュラーな事態にきちんと対応できるのかという不安が残ります。
また、デジタル機器にうとい作業員が多い現場において、誰でも簡単に復旧や操作ができるのかという点も重要なチェック項目でした。
ハクオウロボティクス「AutoFork」の概要
評価に入る前に、今回検証させていただいた機種「AutoFork」を以下の2点でご紹介します。
- 「AutoFork」の概要
- 「AutoFork」ならではの機能
※本稿では簡潔な紹介にとどめています。詳細についてさらに詳しく知りたい方は、以下のAutoFork製品ページでご確認ください。
>>株式会社ハクオウロボティクス『AutoFork』製品ページ
「AutoFork」の概要

AutoForkは、株式会社ハクオウロボティクスが開発・販売をおこなうAGFです。
ロジスネクスト社製のウォーキータイプリフトをベースに、国内開発の自動運転システムを搭載しています。
最大荷重は570kgで、直進時の必要通路幅1.4m、旋回半径1.5mという非常にコンパクトな設計が魅力です。
完全自動化が難しい狭い現場などでも、状況に応じて柔軟に運用しやすい仕様。スイッチ一つで手動操作と自動運転をシームレスに切り替えられることも特徴の1つです。
「AutoFork」ならではの機能
AutoForkには、実際の動きを覚えさせる「プレイバック機能」や、パレットのズレを認識する「一括認識機能」など、現場の課題解決に直結する独自の機能が備わっています。
現場目線で自動フォークリフト(AGF)を評価できる点
東浦和ベースで実機を検証し、「評価できる」と感じたポイントを3つの視点で解説します。
- 運用面:想像以上に現場に則したスムーズな動作
- 操作面:直感的なシンプルなタブレット操作
- 安全面:高感度な障害物センサーと国内メーカーの安心感
なお、以下の資料では、『AutoFork』を”ソフト面・ハード面・安全面”の3つのカテゴリで細かく評価したレビューを掲載しています。
さらに、実際にAutoForkを導入した企業事例も紹介しています。
気になる方は、個人情報の入力なしですぐに閲覧できる以下のリンクからご確認ください。
>>資料「自動フォークリフト(AGF)は物流現場で活用できるのか?|ハクオウロボティクス『AutoFork』を現場目線で正直レビュー」を閲覧する
運用面:想像以上に現場に則したスムーズな動作
まず、走行や荷役の動きが、想像以上に現場のリアルに則している点に驚きました。
中でも、AutoForkの「パレット一括認識機能」は、搭載カメラで不整列なパレットの位置を正確に把握。厳密な位置合わせなしで自動取得してくれます。
物流現場では、パレットが少し斜めになったりズレて置かれたりするのが日常茶飯事です。人間が置き直す「余計な手直し」が発生しないのは重要なポイントです。
実際の物流現場で稼働しているシーンを鮮明にイメージできました。
操作面:直感的なタブレット操作
続いて、デジタル機器にうとい現場作業員でも、慣れれば十分に使いこなせると感じました。
先述の「プレイバック機能」の設定など、新しいシステムには現場の反発がつきものです。私も最初は懸念していましたが、結論として心配は無用でした。
シンプルなタッチモニターにより、スマホやタブレット感覚で直感的に操作できるからです。

もちろん現場にとって新しい機器のため、慣れるまでは少し難しく感じる部分もあることは否定できません。「どんな人でも簡単に」とはいいませんが、想像以上にユーザーフレンドリーです。
数名の担当者を選任しレクチャーを受け運用すれば、現場への落とし込みもスムーズに進むはずです。
安全面:高感度な障害物センサーと国内メーカーの安心感
安全面は、元安全責任者として興味深い項目のひとつでした。結論、障害物センサーの感度は想像以上に優秀でした。
実験として、走行中の機体の前に段ボールを投げ入れたところ、積み荷への衝撃を抑えながらスッとなめらかに停止したからです。

この「なめらかさ」がポイントで、想像以上に積み荷に優しい制動です。荷崩れや落下リスクもかなり低そう。
人や有人フォークリフトとの接触に関しても、人間側が注意すれば決して危険ではないと感じました。ただし、AGFに限らず、ロボットと人間の作業動線をしっかり分断することが理想であることには変わりありません。
ちなみに、同社は国内メーカーならではの迅速なサポート体制が強みのひとつであるそうです。海外メーカーでよく聞く「問い合わせから対応に何日もかかる」といった心配は不要でしょう。
物流現場への自動フォークリフト(AGF)導入における懸念材料
先ほどAutoForkを高く評価した一方で、懸念材料もはっきり見えました。大きく以下の2点です。
- 作業スピード:ベテランオペレーターとの明確な差
- 活用現場の制限:人の判断に依存する現場への導入の壁
作業スピード:ベテランオペレーターとの明確な差
実機見学前に感じていた通り、有人フォークリフト1人分と同等の生産性を、そのままAGFに期待するのは困難です。
その理由は、物流現場におけるフォークリフト作業の”人の技術への依存”にあります。
例えば、ベテランのオペレーターは、移動しながらフォークを昇降させるなど、複数の操作を同時にスムーズにおこないます。(安全上正しい運用ではありませんが、現実はこのように運用されている現場がほとんどでしょう)
一方でAGFは、移動、旋回、フォーク昇降、差し込みといった動作を、一つひとつ確実に順を追っておこなう仕組みです。1つの作業では大きく時間が変わらなくても、1日でみると生産性に大きな差が生じます。
AutoForkに限らずAGF全般にいえることですが、「1台導入したから1人分の作業量を代替する」という単純な計算にはならない点には注意が必要です。
とはいえ、条件が揃えば現場の生産性を高めることができるでしょう。詳細は後述します。
活用現場の制限:人の判断に依存する現場への導入の壁
実機を見て改めて確信したのは、AGFが活躍できる現場は現状では限定的であるという事実です。
物流現場では、大小さまざまなイレギュラーが日常的に発生します。特に自動化が進んでいない現場では、ベテラン作業員の経験や勘による臨機応変な対応で業務がまわっているのが実情です。
例えば、貨物の載ったパレットを2段重ねにするシーンを想像してください。
ベテランは対象の2枚を見た時、荷姿が弱そうな方を瞬時に判断して上に重ねます。重みや箱の状態による荷崩れを防ぐための、経験に基づく高度な判断です。AGFがそういった判断を的確におこなうのは難しいです。
日々の業務において、このような「人の瞬時の判断や配慮」に依存せざるを得ない現場への導入は不向きと言えます。
自動フォークリフト(AGF)の導入が成功する条件
デメリットや制限を理解した上で、どのような現場であればAutoForkの導入が成功するのか、その具体的な条件として私の考察を以下の2つで解説します。
- 長距離・単純搬送が多い現場
- 全体最適の一部として検討している
長距離・単純搬送が多い現場
1日の中で、A地点からB地点への搬送が何度も発生する現場はAGFの導入により大きな効果が得られるでしょう。
単純な搬送をAGFに代替すれば、省人化と現場の負担軽減が見込めます。AGFが最も得意とする領域であり、単純作業に貴重な人的リソースを割くのはもったいないですから。
実際に、株式会社小野包装では新しい倉庫の立ち上げに伴い、長距離の横搬送にAutoForkを導入しました。その結果、現場の負担軽減と省人化を同時に達成。限られた人員を、より複雑で重要な作業へ集中させる環境作りに成功しています。

※株式会社小野包装の事例は、ハクオウロボティクス社のWebサイトに詳細が記載されています。気になる方は以下のリンクからご覧ください。
全体最適の一部として検討している
「今のこの作業だけをAGFに置き換えよう」という部分最適な考え方では、費用対効果が合わないケースが大半でしょう。
先述の通り、現場が人の判断や勘に頼っている状態のまま機器だけを導入しても、その効果は薄くなります。だからこそ、倉庫のレイアウトや前後の工程、作業フロー全体の見直し(全体最適)をおこなう中で、一部作業にAGFを活用できないかを検討するべきです。
たとえば、倉庫の大部分を自動化するにあたって、特定フロア間の縦搬送や出荷エリアへの限定的な搬送ラインに導入する、といった明確な切り分けが成功の鍵を握ると感じました。
まとめ:物流現場の省人化・効率化に向けて
本稿では、物流現場で18年の経験を持つ私の目線から、ハクオウロボティクス「AutoFork」のリアルな実力と課題をレビューしてきました。
検証を通じて分かったのは、AutoForkが現場のリアルなパレットのズレを認識する高い技術を持ち、直感的に操作できる優れたプロダクトであるということです。
一方で、ベテランオペレーターのような臨機応変なスピードや高度な判断をそのまま代替できるわけではないと感じました。導入にあたっては、現場の「全体最適」を見据えた切り分けをおこなうことが、費用対効果を高める鍵になるのも事実です。
少子高齢化が進み、労働力不足が深刻化するこれからの物流業界において、AGFを含めた自動化・省人化設備の導入は避けて通れないテーマです。
単なる「流行りのDXツール」という”他人事”で終わらせず、自社の現場特性を見極め効果を発揮する可能性があるなら前向きな検討をしてみてはいかがでしょうか?
【情報の入力不要】ハクオウロボティクス「AutoFork」の正直評価レポート
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- 本稿をさらに深掘りした、AutoForkの3カテゴリ正直評価
- AutoForkが向いている現場・向かない現場
- 実際にAutoForkを導入した企業事例と成果
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